yuu_nkjm blog
2008-06-16(Mon) [長年日記]
[岩波書店][物語][読書ログ] 小林多喜二 - 蟹工船 (蟹工船 一九二八・三・一五 岩波文庫)
しかし彼の死によって「一九二八年三月一五日」「蟹工船」「党生活者」などの作品が,彼の全生命をかけてかかれたものであることが実証されたのである.
最近,蟹工船が読まれているようで,「筆者の時代背景と切り離してみても面白い」とか「現代に照らし合わせてみると共感できる」とかそんなレビューを目にする.でも,僕としては,小林多喜二や彼が生きた社会のコンテクストから切り離しては,この作品の良さは分からないと思う.思想を語る本では,「そんな生き方のお前が言うな」ってなるか「そんな生き方のお前が言うなら分かる」ってなるかが重要だと思う.
八十年前にもまだこんな生活だったと思うと,そこそこ平和な暮らしが日本に訪れたのは最近のことなんだなーって思った.
- 小林多喜二物語 ×1 / 一九二八年三月一五日 ×1 / 蟹工船 岩波 レビュー ×1 / 一九二八年三月一五日 小林多喜二 ×1